YouTubeマーケティングの活用方法・成功事例8選|成功のポイント・コツも解説【2024年最新版】

YouTubeマーケティングで自社商品・サービスの認知度を高め、視聴者の購買意欲につなげたい。しかし、YouTubeマーケティングのことはよくわからない。そんな悩みを抱えているマーケティング担当者は少なくないはず。

本記事ではYouTubeマーケティングの活用方法や事例、メリット、成功のポイント・コツなどを紹介します。YouTubeマーケティングでどんなことに気を付ければいいのかを理解できます。また、本格的にYouTubeマーケティングに取り組むか決めかねている人も、最後まで記事を読めば前向きに検討できます。


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目次
  1. 1. YouTubeマーケティングとは
  2. 2. HERO・HUB・HELP動画とは
  3. 3. YouTubeマーケティングの活用方法【参考事例付】
    1. 3-1. 1.自社YouTubeチャンネルでHERO・HUB・HELP動画を活用
    2. 3-2. 2.YouTube広告にHERO・HUB動画を配信
    3. 3-3. 3.人気YouTuberを起用したHUB・HELP動画
  4. 4. YouTubeマーケティングの成功事例【企業チャンネル8選】
    1. 4-1. GoPro【登録者1120万人】
    2. 4-2. SUNTORY【登録者36.5万人】
    3. 4-3. Netflix Japan【登録者156万人】
    4. 4-4. アトム法律事務所【登録者数171万人】
    5. 4-5. LIPPS HAIR TV【登録者数14.4万人】
    6. 4-6. マクドナルド【登録者数21.7万人】
    7. 4-7. ヤマハ ぷりんと楽譜【登録者10万人】
    8. 4-8. 日清食品グループ【登録者数25.6万人】
  5. 5. YouTubeマーケティングのメリット
    1. 5-1. 幅広い客層に届けられる
    2. 5-2. ブランディング効果を期待できる
    3. 5-3. 導線設計しやすい
    4. 5-4. 顧客満足度の向上
    5. 5-5. 検索結果の上位表示も期待できる
  6. 6. YouTubeマーケティングの成功ポイント
    1. 6-1. ターゲットを明確にする
    2. 6-2. チャンネルのテーマを明確にする
    3. 6-3. 計画的に動画を制作・公開する
    4. 6-4. ほかのメディアとの連携・導線設計
    5. 6-5. 効果検証と改善を繰り返す
  7. 7. YouTubeマーケティングに有効な分析ツール
    1. 7-1. YouTubeアナリティクス
    2. 7-2. kamui tracker
    3. 7-3. vidIQ
    4. 7-4. NoxInfluencer
  8. 8. YouTubeマーケティングのコツ
  9. 9. YouTubeマーケティングの注意点
    1. 9-1. 動画に関する専門知識が必要
    2. 9-2. 目的にあうKPIを正確に設定
    3. 9-3. 炎上に注意
  10. 10. 【まとめ】YouTubeマーケティングの活用方法・成功事例8選を紹介しました

YouTubeマーケティングとは

マーケティングには幅広い意味がありますが、簡単に要約すると「商品・サービスが売れる仕組みを作ること」です。つまり、YouTubeマーケティングとは「YouTubeのプラットフォーム・仕組みを活用して商品・サービスが売れる仕組みを作る」活動を意味します。

また、動画共有プラットフォームであるYouTubeを利用するには、動画の活用が必要不可欠。具体的には、YouTubeプラットフォーム・仕組み・動画を活用し、視聴者に以下のアクションを促すことがYouTubeマーケティングの目的です。

  • 認知:潜在的な顧客に自社商品・サービスの存在を認知してもらう
  • 見込み顧客(リード)の獲得:自社商品・サービスを購入する見込みのある顧客を獲得する
  • リードナーチャリング:自社商品・サービスに対するリードの興味・関心を高める
  • コンバージョン・顧客化:自社商品・サービスを購入してもらう
  • 既存顧客のロイヤリティ向上:リピート購入・優良顧客化に向け既存顧客のロイヤリティ(忠誠心)を高める

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HERO・HUB・HELP動画とは

ただし、闇雲に動画を作って公開するだけでは、効果的なYouTubeマーケティングを展開できません。目的の異なるアクションを視聴者に促すためには、目的に応じた適切な動画を制作・公開することが必須。それを戦略化したものが、Googleの提唱する「HHH(スリーエイチ)戦略」です。

HHH戦略とは、視聴者(リード・既存顧客など)の状態に応じて適切なコンテンツを届けるため、HERO・HUB・HELP動画を活用するマーケティング戦略のこと。HERO・HUB・HELP動画それぞれの目的・具体例は以下の通りです。

 

目的

具体例

HERO動画

潜在顧客に自社、自社商品・

サービスを認知してもらう

プロモーション動画、バイラル動画

(バズることを目的にした動画)など

HUB動画

リードに自社商品・

サービスの魅力を伝えてコンバージョンを促す

デモンストレーション動画、導入事例・インタビュー動画、

インフルエンサーとのコラボレーション動画など

HELP動画

悩み・疑問を解決し、

既存顧客との結びつきを強める

How To動画、Tips動画、サポート動画など

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YouTubeマーケティングの活用方法【参考事例付】

ここまでで「YouTubeマーケティングとはなにか?」「どのような動画を活用するのか?」の概要を把握できたはず。では、YouTubeを活用してマーケティングを展開していくにはどのような方法があるのか?主なYouTubeマーケティングの活用方法を紹介します。

1.自社YouTubeチャンネルでHERO・HUB・HELP動画を活用

まずは、自社YouTubeチャンネルを活用し、HERO・HUB・HELP動画で情報を発信するYouTubeマーケティングの手法です。その目的は「認知の獲得」「リード獲得」「リードナーチャリング」「コンバージョン」「ロイヤリティ向上」すべて、またはそのいずれか。マーケティング戦略全体の「YouTubeチャンネルの位置付け」によって目的は変動します。

YouTubeチャンネルは無料で開設できるため初期費用は不要。登録者数を含む一定の基準をクリアすれば、広告収入によるマネタイズという副次効果も期待できます。人気チャンネルに成長できれば、Google検索結果にも好影響を与えるため、オーガニック検索からの流入増も実現するでしょう。

ポイントは、どのような目的でYouTubeチャンネルを運営するかです。マーケティング戦略全体とのバランスを見ながら、YouTubeチャンネルのコンセプト・テーマを絞り込むこと。そして、コンセプト・テーマにあわせ、HERO・HUB・HELP動画を適切に使い分けることが求められます。

コンセプト・テーマを絞り込むヒントとなるよう、HERO・HUB・HELP動画それぞれの参考事例を紹介しておきましょう。

HERO動画の参考事例【iPhone 15 Pro】

HERO動画の参考事例として挙げられる、iPhone 15 Proのプロモーションビデオです。チタニウムの筐体を採用し、機能を強化したiPhone 15 Proでどのようなことを実現できるのか?約4分のプロモーションビデオに魅力のすべてを詰め込んだ内容に仕上げられています。

iPhone 15 Proで撮影された素材も活用した、インパクトの強い映像にしていることもHERO動画ならではの特徴。iPhoneを使ったことのないユーザーのみならず、既存ユーザーの買い替え需要(コンバージョン)というHUB効果も狙える動画です。

HUB動画の参考事例【ニトリ】

HUB動画の参考事例として挙げられる、ニトリの「リビングダイニング家具デモンストレーション動画」です。単なるテーブル・ソファにとどまらない、暮らしを豊かにするヒントを与えることで、視聴者に「これは便利」「購入したい」と感じさせる内容に仕上げられています。

動画の最後には「チャンネル登録はこちら!」を設置し、しっかりコンバージョンへの導線を確保していることもポイント。おすすめ動画への誘導も確保されており、自社のファンを増やして購入につなげたいという明確な目的を持って制作された動画だといえるでしょう。

HELP動画の参考事例【Appleサポート】

HELP動画の参考事例として挙げられる、Appleの「iPhoneの空き容量を増やす方法」サポートビデオです。iPhoneユーザーのよくある困りごと、疑問を解決し、視聴者に「iPhoneを使っていてよかった」と思ってもらえるシリーズ形式のサポートビデオです。

既存ユーザーのロイヤリティ向上を促せるため「次もiPhone」という意識を持ってもらいやすいことがポイント。自分でできるトラブルシューティング方法を動画で紹介することにより、サポートデスクの手間を減らせる効果も得られます。

動画制作の費用相場の詳細は下記記事をご参照ください。
関連記事:YouTube動画作成・編集の費用と料金相場を徹底解説!【相場早見表・事例あり】

企業がYouTubeチャンネルを運営するメリットの詳細は下記記事をご参照ください。
関連記事:YouTubeの企業チャンネルは始めるべき?メリットとデメリット、成功事例を解説

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2.YouTube広告にHERO・HUB動画を配信

YouTubeの広告プラットフォームに適したHERO・HUB動画を配信し、自社商品・サービスの認知度を高め、コンバージョンを促すマーケティング手法です。「Webサイトで資料ダウンロード」「ECサイト・購入ページに誘導」「自社チャンネル登録」など、目的に応じてコンバージョンも変動します。

自社チャンネルは、YouTubeマーケティングの拠点・情報発信源として重要な役割を果たしますが、認知を獲得するまでに比較的長い期間を要します。これはYouTubeに限らない「顧客から能動的に自社を見つけてもらう」コンテンツマーケティングの特徴。こうした特徴を踏まえたYouTubeマーケティング戦略が動画広告の活用です。

ただし、YouTubeチャンネル向けに制作したHERO・HUB動画は、そのまま使えるとは限りません。なぜなら、多彩な配信方法が用意されているYouTube広告は、推奨される動画広告の尺をはじめ、それぞれ特徴が異なるからです。主なYouTube広告の種類・特徴を簡単に紹介しておきましょう。

インストリーム広告(スキップ可・スキップ不可)

インストリーム広告

動画の始まりと途中で表示される動画広告。再生開始5秒でスキップ可能なスキッパブル広告、およびスキップのできないノンスキッパブル広告を選べます。スキッパブル広告では主にHERO動画を活用しますが、HUB動画を活用する場合も。視聴者が30秒以上動画を視聴、もしくは動画をクリックした場合に広告料金が発生します。

一方、最後まで広告が再生されるノンスキッパブル広告は、15秒程度の動画広告が推奨されており、メインとして活用されるのはHERO動画。広告が1000回表示されるごとに課金されるインプレッション型が採用されています。

スキッパブル・ノンスキッパブル、どちらの場合も「最初の5秒で視聴者の興味を惹きつける」ことがポイント。尺の長すぎる動画は視聴者に嫌われます。

バンパー広告

バンパー広告

動画の始まりと途中で表示される動画広告。再生開始の6秒間はスキップできません。表示回数が1,000回に達すると課金されます。

インフィード広告

ディスカバリー広告

動画内ではなくYouTubeの検索結果上や関連動画上に表示される動画広告。リンクをクリックすると再生され、料金が発生します。

動画アクションキャンペーン(VAC)

画像出典:Google

YouTube広告の種類とは異なりますが、コンバージョンという視聴者のアクションを促したい企業向けに用意されているのが「動画アクションキャンペーン」(VAC)です。通常のYouTube広告と異なるVACの特徴は、動画広告にCTA(Call To Action)ボタンを設置できること。自社Webサイトやランディングページへ誘導できます。

VACを利用できるのは、インストリーム・スキッパブル広告およびインフィード広告。課金の仕組みはそれぞれのYouTube広告に準じます。

3.人気YouTuberを起用したHUB・HELP動画

人気YouTuberとコラボレーション・タイアップしたHUB・HELP動画を制作し、YouTuberのフォロワーにアピールするマーケティング手法です。インタビュー・導入事例動画がHUB動画として有効なのと同じように、第三者の感想は商品・サービスのコンバージョンに非常に有効。フォローしているYouTuberの動画なら、ユーザーもじっくり視聴してくれます。

視聴者のコンバージョン・ロイヤリティ向上に有効なほか、フォロワーが自社商材を認知していなければHERO動画としての効果も期待できます。ポイントは、自社商材のターゲット層に近いフォロワーを持つYouTuberを起用すること。どんなに登録者数が多くても、自社商材に興味を示してもらえなければ意味がないからです。

YouTuberとのタイアップについて詳しく知りたい人は以下の記事を参考にしてください。
関連記事:YouTuberタイアップ動画の参考事例10選!効果や相場も徹底解説

YouTuberタイアップ動画の参考事例【IN YOU】

YouTuber「YULU organic」さんが紹介。ハーブティーをはじめ、はちみつやバスソルトなど1つ1つ丁寧に使った感想を動画内で語っています。このYouTubeさん自身の生理周期の乱れなど、体調不良を訴えたうえでミネラルの大切さを説明し、ミネラルがたくさん取れるという「ミネリー」の紹介では、YouTuber自身が一番推している商品として紹介しています。

このように、紹介してもらう自社商品・サービスのジャンルに詳しいYouTuberに紹介してもらうことで、視聴者は「この人がいなら信憑性が高い」と感じ購入につながりやすいです。

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YouTubeマーケティングの成功事例【企業チャンネル8選】

概要・主な活用方法の解説でお分かりのように、YouTubeマーケティングの起点となるのは「自社YouTubeチャンネル」です。しかし、活用方法でも解説したように、マーケティング戦略全体の「位置付け」によってYouTubeチャンネルの目的やテーマは変動します。

それでは、他社はどのようにYouTubeチャンネルを運営しているのか。どのような動画を活用しているのか。これらを知りたい方に向け、YouTubeマーケティングの成功事例として参考にしたい企業チャンネルを8つ紹介します。

GoPro【登録者1120万人】

世界中で活用されているアクションカメラ「HEROシリーズ」で知られるGoProのYouTubeチャンネルです。2024年7月時点での登録者数は1120万人。実に2700本を超える動画を公開しています。

HEROシリーズをダイナミックな映像とともに紹介するHERO動画のほか、HUB動画やHELP動画も数多く公開。たとえば、世界中のユーザーがどのようにGoProを活用しているのか?実際の映像とともに紹介する「Memory Banks Series」は、見込み顧客のコンバージョン促進に有効です。

どのようなアクセサリーをどのように使えばいいのか?実際に撮影した映像とともに紹介する「GoPro Tips」は、既存顧客のアップセル・クロスセルにも役立つHELP動画のお手本です。

SUNTORY【登録者36.5万人】

お酒・ソフトドリンクのほか、スキンケア商品なども製造・販売する、SUNTORYグループの公式YouTubeチャンネルです。2024年7月時点での登録者数は36.5万人。1800本を超える動画が公開されています。

テレビCMを含むマスメディア広告を活用する同社らしく、お酒・ソフトドリンクのCM・ムービーなどのHERO動画を多数公開。ただし、すでに高い知名度を誇る同社のYouTubeチャンネルは、既存顧客のロイヤリティを高め、自社のファンを増やすことが目的だといえるでしょう。

そのため、おいしいお酒のつくり方、ウイスキーの愉しみ方、工場ナビゲーターが案内するお酒の楽しみ方など、多くのHELP動画を活用。重ねて企業活動動画を公開するなど、自社ブランディングも意識されています。

Netflix Japan【登録者156万人】

エンターテインメント特化型の有料動画配信サービス、Netflix Japanの公式YouTubeチャンネルです。2024年7月時点での登録者数は156万人。約5800本の動画が公開されています。

同社YouTubeチャンネルの特徴は、話題性の高い自社コンテンツを活用したHUB動画が多いこと。各コンテンツの予告編、名シーンのチラ見せ、ドラマ出演者の対談など、「このコンテンツが見たい」「続きを見たい」という視聴者の欲求を刺激することに成功しています。

芸能人を集めて新番組を語ってもらう様子をライブ配信するなど、どちらかというとテレビ的な手法を用いているのも特徴です。

アトム法律事務所【登録者数171万人】

アトム法律事務所のお笑い系社会派YouTuber、岡野タケシ弁護士のYouTubeチャンネルです。2024年7月時点の登録者数は、法律事務所としては異例ともいえる171万人。2600本を超える動画が公開されています。

大人から子供まで法律が100倍楽しくなるというコンセプト通り、何気ない身近な出来事を切り口に法律をわかりやすく解説。明確なコンバージョンは、岡野氏の著書である「おとな六法」の購入ですが、どちらかといえばHELP動画でファンを増やすことが目的だといえるでしょう。

関西弁による軽快な語り口によって視聴者に親近感を与え、トラブルがあれば相談してみようと思わせるコンテンツが満載。テンポよく動画を見れるように工夫されている編集も参考になります。

LIPPS HAIR TV【登録者数14.4万人】

東京を中心に、大阪・神奈川・東北などに店舗を持つメンズビューティーサロン「LIPPS hair」の公式YouTubeチャンネルです。2024年7月時点での登録者数は14.4万人。約1500本の動画が公開されています。

ヘアワックスをはじめとしたヘアケア商品を開発・販売する同社では、CM・PVなどのHERO動画も公開しているものの、メインとなるのはHUB・HELP動画。自社商品のHow To動画はもちろん、圧倒的なのはショート動画を含む、ヘアスタイルのヒントとなるTipsムービーです。

プロの技術を惜しみなく公開することで、視聴者に「行ってみたい」「また行きたい」と感じさせることに成功。自社ブランド価値を高める狙いのオフィシャルムービーにもチャレンジしています。

マクドナルド【登録者数21.7万人】


世界中で店舗展開するハンバーガーチェーン、マクドナルドの公式YouTubeチャンネルです。2024年7月時点での登録者数は21.7万人。テレビCMを中心に約80本の動画を公開しています。

SUNTORYと同様、高い知名度を誇り、マスメディアを活用した広告を展開するマクドナルドのYouTubeチャンネルは、ターゲット層を絞り込んでいることが特徴。ショート動画も含め、HERO動画を数多く公開しているものの、どちらかというと客層を形成する子供の保護者、ステークホルダーへのアピールが中心です。

たとえば、ハッピーセットの紹介動画は、子供の安心・安全を確保したい保護者にアピールする内容。フランチャイズを検討する地主、ドナルド・マクドナルド・ハウス支援など、ステークホルダー向けマクドナルドの活動紹介動画も公開されています。

ヤマハ ぷりんと楽譜【登録者10万人】

楽器、オートバイなど幅広い製品の製造・販売を手掛けるメーカー、ヤマハ「ぷりんと楽譜」の公式YouTubeチャンネルです。2024年7月時点での登録者数は10万人。16000本もの動画が公開されています。

同社YouTubeチャンネルの特徴は、ターゲット層が明確なこと、HUB動画を活用した視聴から楽譜購入までの導線が確立されていることです。数多く公開されている人気楽曲のデモ演奏動画を、それぞれ初級から上級までランク付け。「ピアノを練習したい」視聴者のレベルにあわせてチョイスできる工夫がされています。

「これなら弾けそう」「楽譜が欲しい」視聴者がすぐに購入できるよう、概要欄には該当する楽譜の購入ページへのリンクも設置。YouTubeだけでコンバージョンまで完了する導線設計は、多くの企業の参考になるでしょう。

日清食品グループ【登録者数25.6万人】

世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」や「カップヌードル」で知られる食品メーカー、日清食品グループの公式YouTubeチャンネルです。2024年7月時点での登録者数は25.6万人。約120本の動画を公開しています。

テレビCMを含む数多くのHERO動画を公開する同社YouTubeチャンネルですが、目的はファンの獲得、ブランディングです。テレビCMにも見られる独自の世界観を表現したHERO動画は、バイラル動画(バズ動画)の要素を色濃く感じさせます。

宣伝部主任の成長動画をシリーズ公開するなど、ファンの獲得、ロイヤリティ向上のため「面白さ」を重視していることが特徴です。

YouTubeマーケティングのメリット

YouTubeの活用方法と事例を知ったうえで、企業にとってのメリットは何かを解説します。メリットを改めて知ることで、YouTubeマーケティングの実施の可否がしやすくなるでしょう。

  • 幅広い客層に届けられる
  • ブランディング効果を期待できる
  • 導線設計しやすい
  • 顧客満足度の向上
  • 検索結果の上位表示も期待できる

幅広い客層に届けられる

YouTubeの国内月間アクティブユーザー数は6500万人以上(2020年12月)になります。総務省の調査(令和2年度)によると若い世代はもちろん、幅広い層に利用されています。そのため、YouTubeで広告を展開すれば、本来想定していたユーザー以外にも、幅広い層のユーザーに自社の情報を知ってもらえます。

ブランディング効果を期待できる

企業YouTubeチャンネルの開設や広告配信にあたって、新たにイメージキャラクターを作成する企業もあります。例えば、柔軟剤で有名なFaFaはかわいらしいクマのキャラクター(ファーファ)が人気です。オリジナルグッズが販売されるなど、企業のオリジナルキャラクターを制作することにより、キャラクターをきっかけに商品やサービスを知ってもらうきっかけにもなるかもしれません。

動画内で企業理念をドラマ仕立てで紹介すると、企業の世界観が伝わり、ブランドイメージを確立できます。

マルコメ公式チャンネルではCM動画ではアニメーションを起用し、いつまでも変わらない家族の絆と温かさを描写。家族のこころをつなぐ、あたたかい味噌汁が動画からイメージできます。

また、定期的に動画を投稿することにより、視聴者にとって「有益な投稿」をするチャンネルというイメージが付き、次の投稿を楽しみにするファンも増えます。テキストだけでは伝わりづらい「ブランドの雰囲気」を、YouTube動画にて独自の映像や音楽、効果音、テロップ、ナレーションによって、言語化によっては伝えきれない雰囲気や熱量などを視聴者に伝えやすくなります。

導線設計しやすい

動画や動画広告内に、自社サイトや販売ページに誘導するリンクを埋め込むことができます。リンクを埋め込むことにより、動画を見て「商品やサービスのことをもっと詳しく知りたい」と興味を持ったユーザーを自社サイトに誘導できるので、CV率アップはもちろん、売り上げも期待できます。

また、アップロードした動画内にテキストやバナーを表示し、そこから他の動画やチャンネルに遷移できる「アノテーション機能」も使用できます。

■アノテーション機能の実際に映り方

導線設計しやすい

これにより、動画自体は再生されたまま、動画内で関連コンテンツへリンクさせることもできます。動画の最後に★「詳細はWebで!」「詳しくはこちら」などユーザーの行動喚起を促すCTAボタンの設置すると、よりクリックされやすくなるでしょう。。

顧客満足度の向上

商品やサービスの「使用方法」「おすすめの活用法」を動画で配信することで、顧客の利用満足度を上げることもできます。顧客満足度が高いほど、商品やサービスの継続利用につながります。



ヴィートバスタイム除毛クリームの使用方法を紹介した動画です。動画を見れば初めて商品を利用する人でも安心して使用できます。

検索結果の上位表示も期待できる

YouTubeに投稿した動画がGoogleに高く評価されれば、検索結果でも動画が上位表示されることがあります。

検索結果の上位表示も期待できる

上記は「スマートフォン 使用方法」で検索した時のGoogleの検索結果です。ソフトバンクの公式チャンネルがアップしているスマホの操作方法に関する動画が出てきます。上位表示されると多くの人にクリックされやすくなり、動画を見てもらう機会が増えます。よって企業の商品やサービスの認知度アップが期待できるのです。

YouTubeマーケティングの効果について詳しく知りたい人は以下の記事を参考にしてください。
関連記事:動画マーケティングの注目すべき効果とは?メリット・デメリット、始め方と成功のコツを解説

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YouTubeマーケティングの成功ポイント

動画を活用したYouTubeマーケティングが非常に有効であることは理解した。では、YouTubeマーケティングを成功させるには、どのようなことに気を付けておくべきなのか?知りたいマーケターの方に向け、YouTubeチャンネルを中心に、YouTubeマーケティングの成功ポイントを紹介します。

  • ターゲットを明確にする
  • チャンネルのテーマを明確にする
  • 計画的に動画を制作・公開する
  • ほかのメディアとの連携・導線設計
  • 効果検証と改善を繰り返す

ターゲットを明確にする

とにかく動画を公開すればいいと思いがちなYouTubeチャンネルですが、YouTubeマーケティングを成功させるにはターゲットを明確にすることが重要。あらゆるユーザー層にアピールするよう全方位的に展開すると、結局、だれにも響かないコンテンツの揃った散漫なチャンネルになってしまうからです。

商品・サービスの企画時と同様、「だれにどのような価値を届けるのか?」を基本に、ターゲットを具体的な人物像(ペルソナ)まで絞り込むことがポイント。ターゲットを明確にすることで、視聴者のニーズへの仮説を立てやすくなり、適切な動画コンテンツを制作するためのヒントにもなります。

チャンネルのテーマを明確にする

自社YouTubeチャンネルでどのような情報を発信するのか?チャンネルのテーマを明確にしましょう。チャンネルのターゲットを明確にすることが「だれに価値を届けるのか?」ならば、チャンネルのテーマを明確にすることは「どのような価値を届けるのか?」です。

たとえば、アトム法律事務所のYouTubeチャンネルには「大人から子供まで法律が100倍楽しくなる」という明確なテーマ・コンセプトが掲げられています。通常はあまり関わることのない法律事務所だからこそ、ファンを増やして万一の場合に筆頭の相談先になるという目的から逆算されたテーマ。動画コンテンツもテーマが反映された内容に揃えられています。

計画的に動画を制作・公開する

明確化したYouTubeチャンネルのターゲット・テーマに沿って、計画的に動画コンテンツを制作・公開しましょう。たとえば、曜日を決めて週1回は必ず動画を公開するなど。動画コンテンツの公開が不定期になってしまうよりは、ある程度コンテンツをストックしておき、定期的に公開する方が効果的です。

これはYouTubeマーケティングに限らない「プル型であるコンテンツマーケティング」の特徴。
視聴者(ユーザー)から能動的に自社を見つけてもらい、関係性を強化していくコンテンツマーケティングは、認知を獲得するまで頻繁なコンテンツ更新が必要です。

ほかのメディアとの連携・導線設計

自社チャンネルを効果的に運営するため、それ以外のメディアとどう連携して視聴者を誘導するか、導線設計することもYouTubeマーケティングを成功させるポイント。認知を高めるには、オーガニック検索のみに頼らない流入元が必要、コンバージョンを促すにはWebサイトやLPが必要だからです。

たとえば、ヤマハ ぷりんと楽譜は「YouTubeの概要欄から購入ページへ遷移する」スムーズな導線が確保されています。動画コンテンツの目的に応じてメディアを使い分ける、コンバージョンの仕組みを考えることが重要です。

効果検証と改善を繰り返す

YouTubeマーケティングに限らず、施策の効果を検証し、次回以降の改善に活かしていくことはマーケティングの基本。YouTubeマーケティングであれば、公開した動画コンテンツ、チャンネルの状態をチェックし、コンテンツ制作・チャンネルの方針に反映させていくことが重要です。

幸い、オンラインが主体となるYouTubeマーケティングは、テレビCMなどと異なり、ツールによる効果検証が容易な特徴もあります。仮説という主観にもとづいて立案されるマーケティング戦略の精度を高めるためにも、数字による裏付けは重要です。

YouTubeマーケティングに有効な分析ツール

YouTubeに投稿した動画や広告は効果測定が可能です。想定よりも動画の視聴回数が伸びない時など、分析ツールを用いて効果測定することで動画の改善点が見つかり、動画をより良いものにできるでしょう。以下、効果測定が可能な分析ツールを紹介します。

YouTubeアナリティクス

YouTubeアナリティクス

YouTubeアナリティクスとは、YouTubeに投稿した動画や動画広告、チャンネル全体の効果測定が可能な公式ツールです。YouTubeのアカウントを持っている人なら誰でも無料で利用可能。YouTubeにログインし「YouTube Studio」からアクセスできます。

再生数や視聴者数はもちろん、「どんな人が視聴しているのか」「どの動画が人気なのか」「どこで視聴離脱が目立つのか」などを分析できるので、動画改善点を見極めることができます。

例えば、下記のようなシュミレーションをするとします。

  • 目標:認知
  • 指標:視聴回数の目標を1,000(公開から14日以内で)
  • 14日経過して結果は800
  • 目標より少ない原因はサムネイル画像が魅力的なものでないと推測

上記結果から、「実は〇〇だった」など意外性などを強調したりして、目立つ・続きが見たくなるのようなサムネイル画像作りなどをする対策が挙げられます。

kamui tracker

kamui tracker

画像引用:kamui tracker

kamui trackerは、株式会社エビリーが提供しているマーケティング支援サービス。kamui trackerに登録し、アカウントを作成。チェックしたい動画のURLを入力するだけで、視聴回数などさまざまな情報を1時間ごとに細かく測定できます。登録には一定のチャンネル数が必要です。

目標にしたい国内のYouTuberのチャンネルを設定して、数値指標を比較したり、詳細ページを見て改善点を見つけることができる「ベンチマーク」機能。チャンネルのカテゴリー全体の中で自分の立ち位置を把握できる「ランクシュミレーター」など機能が充実。ライバルとするチャンネルと自社のチャンネルが簡単に比較できます。

有料会員になると、国内で実施されたYouTuberタイアップ事例をデータベース化できます。それぞれ起用したYouTuberとその人数、動画数、再生回数、コメント、高評価、低評価、シェアなどの統計情報の閲覧も可能です。

vidIQ

vidIQ

画像引用:vidIQ

vidIQはYoutubeが公式配布しているYoutube動画の分析ツール。vidIQに登録し、アカウントを作成します。vidIQ内でチャンネルの動画タグを検索することで、キーワードに関連する全ての動画の平均視聴回数を確認可能。この数値が高ければ高いほど、YouTube上で需要の高い動画になります。どんな動画を作成するか、投稿する際のハッシュタグ選びの参考になります。

また、動画タイトルをクリックすることで、動画に対する点数が表記されます。評価の基準は再生回数やチャンネル1日の登録者数などが関係してきます。

NoxInfluencer

NoxInfluencer

画像引用:NoxInfluencer

NoxInfluencerはYoutubeチャンネルや動画の再生数やユーザーの動向を解析できるサービス。
登録無しでチャンネルURLを入力するだけで、チャンネル登録者数の推移、動画のパフォーマンスなどをグラフで確認できます。

NoxInfluencerの強みは自社のチャンネルの解析だけではなく、表には出ていない競合の登録者の推移や視聴者の情報等を詳しく見ることができます。自社の運営するYoutubeチャンネルの価値や他人のアカウントの広告収益なども多角的に確認できます。

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YouTubeマーケティングのコツ

YouTubeマーケティングに取り組んではいるが、起点となる自社チャンネルの登録者数、動画コンテンツの視聴回数が伸びない。そんな悩みを持つマーケターの方であれば、以下の「ちょっとしたコツ」を試してください。

  • クリックしたくなるサムネイルを用意する
  • 動画コンテンツのタイトルは短く・わかりやすく
  • YouTubeのハッシュタグを活用
  • 概要欄に対策キーワードを含める

特に重要なのはサムネイル。数多くの関連・おすすめ動画が表示されるなかで、視聴を決める最初の判断材料となるのがサムネイルだからです。チャンネルのテーマ・コンセプトとのバランスを考えながら、思わずクリックしてしまいたくなるサムネイルを用意しましょう。

YouTubeマーケティングの注意点

YouTubeマーケティングについて基本的なことを理解したうえで、実際にマーケティングを行う際に注意すべき点をまとめています。以下の点に気を付けておけば、初めての人でもマーケティングに失敗せずに済むでしょう。

  • 動画に関する専門知識が必要
  • 目的にあうKPIを正確に設定
  • 炎上に注意

動画に関する専門知識が必要

動画を作成する場合、コンテンツの計画、撮影、編集などある程度の専門知識が必要になります。動画編集には専門のソフトの使用が必須です。編集に限らず、YouTubeチャンネルのデータ分析、改善案の提案などのコンサル的業務や演者の手配など、多岐に渡る業務があります。初めてYouTubeマーケティングを考えている人は専門業者に依頼するのがおすすめです。

目的にあうKPIを正確に設定

KPIは目的達成のための重要な指標です。商品の認知度アップといった目的に対し、目的の達成に近づけているかを示す数値になります。KPIの設定なしにマーケティングを進めると、作業にメリハリがつかなかったり、作業効率が悪くなります。下記は実際の目的ごとの設定例を記載しています。(数値も例です)

認知向上:KPIを「1カ月の動画視聴回数を1000回」と設定
比較検討:他社商品と自社商品を比較し、購入の検討を促すことを目的とするならばKPIを「1カ月の完全視聴率を80%」と設定
行動:商品の売り上げアップを目的とするなら、KPIを「1カ月のCV率を50%」に設定

炎上に注意

炎上にも注意が必要です。視聴者が見ていて不快になる動画には、低評価がつけられたりコメント欄に苦情が殺到します。酷い場合にはネットニュースになったり世間を騒がしてしまうこともあるでしょう。一度炎上してしまうと、企業や商品・サービスに関するネガティブなイメージが消費者に植えつけられ、挽回するのが難しくなるのです。

動画を公開する前に何度も動画を見直し、特に偏見・差別などネガティブと捉えられる内容には気を付けましょう。

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【まとめ】YouTubeマーケティングの活用方法・成功事例8選を紹介しました

YouTubeマーケティングは企業や商品、サービスの認知度拡大、企業のブランディング向上に欠かせません。まだYouTubeを取り入れていない企業は取り入れるべきでしょう。

とはいえ、マーケティングを成功させるためにはポイントも必要です。施策にも一人でできることには限りもあるので、困ったらSEOコンサル会社にもご相談をしてみてはいかかでしょう。

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