360度動画の作り方を4ステップにわけて解説!参考事例・制作費用も紹介【2024年最新版】

360度動画の作り方を4ステップにわけて解説!参考事例・制作費用も紹介

「普通のカメラで商品紹介動画を撮影したが、もっと臨場感のある動画を作りたい」
「商品紹介やプロモーションとして360度動画を活用するのはどうか」
「360度動画はどのように作るの?」

このようなお悩みを抱えている企業のマーケティング担当者は、とくに最近「VR動画」「360度動画」をよく耳にしているでしょう。自社の商品サービスの紹介や社内研修用として、これらの動画を活用するケースが増えています。

そこで本記事では、360度動画の作り方をはじめ、制作費用や事例などについて詳しく解説します。ぜひ自社の360度動画の制作にお役立てください。

※360度動画の制作をお考えの方は、動画幹事にご相談ください。予算や目的をヒアリングし、最適な会社を選定します。相談料も紹介料も一切かかりません。

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目次
  1. 1. 360度動画とVR動画の違い
  2. 2. 360度動画の作り方4ステップ
    1. 2-1. 1. プランニング(企画)
    2. 2-2. 2. 撮影
    3. 2-3. 3. 編集
    4. 2-4. 4. アップロード・公開
  3. 3. 360度動画の参考事例
    1. 3-1. 部屋の内覧に活用した事例
    2. 3-2. 工場見学の疑似体験ができる事例
    3. 3-3. 世界の絶景を体感できる事例
  4. 4. 360度動画の制作費用
    1. 4-1. 自社制作だと15〜20万円程度
    2. 4-2. 外注する場合は20〜数百万円と幅広い
  5. 5. 360度動画は内製するべきか外注するべきか
    1. 5-1. 内製と外注の判断基準
    2. 5-2. 制作会社への依頼がオススメ
  6. 6. 360度動画の作り方まとめ

360度動画とVR動画の違い

360度動画とは、カメラの周囲すべてを記録した動画のことです。視聴者は主観的なアングルから360度全方位を見渡すことができます。実際に見ていただいた方がわかりやすいので、富士急ハイランド「ド・ドドンパ」の360度動画でイメージを掴んでみてください。

VR動画との違いは、「VRゴーグル」を使用するかどうかにあります。VR動画では、専用のゴーグルを用いて主観で360度を見ます

VRゴーグル

360度動画は、ゴーグルを用いずマウス操作で360度全方位を見られるのが特徴です。ド・ドドンパの動画でも、画面をクリックしたままマウスを動かすとアングルが変わります。

VR動画については下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひご参考ください。
関連記事:実写撮影版VR動画の作り方とは?具体的なステップや費用を解説

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360度動画の作り方4ステップ

全方位の映像を見られる360度動画ですが、どのように作成するのか。一般的に、360度動画の制作フローは以下の4つに分けられます。基本的な流れは通常の動画と同じですが、360度動画ならではの注意点やコツがあるので、ここで詳しくお伝えします。

360度動画の作り方4ステップ

1. プランニング(企画)

プランニングとは、制作における「企画段階」です。360度動画では、このプランニングが最重要だといわれています。360度全方位を見回せるがゆえに、動画内の情報量が膨大になるためです。

情報量が多い中でユーザーが内容を直感的に理解し、リアルな体験を提供できるかを考える必要があります。そのためにも、プランニングの段階で以下のことを決めておきましょう。

項目

対応内容概要

動画の長さ

・冗長にならないように注意

・伝えたいことを端的に訴求できる内容に

カメラのアングル

・被写体との距離や角度を考える

・よりリアルな体験に近いアングルで

背景の見え方

・被写体以外の背景をぼかす

・余計なものが映らないように

撮影場所をセッティングする

登場人物

・動画に誰を登場させるか

・社員かキャスティングするか


上記のように、考慮するべきことはたくさんあります。ユーザーの好奇心をくすぐる360度動画を作るためにも、プランニングにはしっかりと時間をかけましょう。

注意点・コツ

そもそも360度動画である必要があるかいなかを再検討する

360度動画の制作には数十万〜数百万円の大きなコストがかかるため、「本当に360度動画じゃなきゃダメなのか?」を議論しておくことが大切です。また360度動画はVR動画と混同しやすく、定義がバラバラになりやすいです。360度動画とは何を指していて、自社ではどういったものを作りたいか、しっかりと固めておきましょう

イメージを湧きやすくするためには、社内でサンプルを共有するのがオススメです。実際の360度動画をプロジェクトメンバーで共有し、全員のイメージを統一させておきましょう。

視聴者にどんなシチュエーションを体験してほしいか

360度動画は、視聴者の「主観」のアングルで撮影を行います。カメラの位置=視点になるため、座った状態で見るのか立った状態で見るのかなど、視聴者側のシチュエーションを考慮する必要があります。動画の撮影時は、カメラを持ったまま移動することが大半なので撮影者の歩いているスピードも重要。ドローンを使用する場合は、飛行速度も意識しましょう。

2. 撮影

360度動画では、360度撮影できるカメラ1台を使用する場合や、180度撮影のカメラを複数台使う場合など、さまざまな撮影パターンがあります。360度動画を初めて制作する場合は、アクションカメラ「Insta360 Studio」など、1台で360度撮影できるカメラがおすすめです。

Insta360 Studio

画像引用:Insta360

「Insta360 ONE RS」は2022年3月に販売がスタートした最新モデルで、4Kレンズをはじめ手ブレ補正、大容量バッテリーなど高いスペックを実現しています。アプリも提供しており、ダウンロードすることで、カメラコントロールや動作最適化、編集(後に紹介する「Insta360 Studio」)なども可能。カメラを選ぶ際は目的に沿ったスペックのものを選びましょう

撮影方法には「定点撮影」「手持ち撮影」の2種類があり、目的やシーンに合わせて撮影方法を変えます。街並みや自然の景色など「空撮」をしたい場合はドローンを用意しましょう。

撮影方法

利用シーン

定点撮影

・風景を360度しっかりと映したいとき

・近くでナレーションなど説明したいとき

手持ち撮影

・広い場所を移動しながら撮影したいとき

注意点・コツ

360度動画を撮影する際の注意点やコツは以下の3点です。

1.少なくとも4K動画で撮影するべき

360度動画は通常の動画に比べて、画角が広くなることで解像度が下がってしまうのです。当然、動画の解像度が高い方が視聴者も見やすくなります。

最近では高性能カメラも多く出ています。多少コストは膨らみますが、可能であれば4K以上のカメラを用意しておきましょう。画角が広くなっても解像度が下がらない映像を撮れます。

2.被写体との距離は通常の動画撮影とは異なる

Insta360

画像引用:Insta360

360度カメラは「広角レンズ」が用いられている場合が多いです。広角レンズでは広い範囲を写すことができます。一方で、手前のものは大きく奥のものは小さく写るというやっかいな特徴があります。そのため、人や物を撮影する際は注意が必要です。普通のカメラと同じ位置から撮影すると、被写体が小さく写ってしまう場合があります

3.基本的に照明は使えない

THETA

画像引用:THETA

360度動画は空間すべてが被写体になるため、照明を配置すると照明器具もカメラに映り込んでしまいます。そのため、360度動画の撮影では基本的に照明を使いません。照明を使えない分、プランニングの段階で撮影場所の採光環境を考えておく必要があります

3. 編集

360度動画の編集では、「スティッチング」と呼ばれる作業がメインとなります。スティッチングとは、撮影した動画をつなぎ合わせる作業のこと。

さまざまなアングルで撮影した動画を、タイミングや明るさ、振動の有無などを踏まえて編集していきます。編集では、Insta360 Studioなどの「編集ソフト」を利用します。スティッチングは動画のクオリティに大きな影響を与える大切な作業です。

Insta360 Studio「編集ソフト」

画像引用:Insta360

Insta360 Studioは、MacやWindowsのOS上でInsta360シリーズの動画を編集できるアプリ。スティッチングの補正機能が搭載されており、つなぎ合わせた映像の歪みや滲みを消し、滑らかに映るように自動補正してくれます。動画のスピードを調整できる「タイムシフト」も可能です。

注意点・コツ

自力でスティッチングをするのが大変

Insta360

画像引用:Insta360

スティッチングでは、撮影した情報をつなぎ合わせる必要があり、作業に膨大な時間がかかります。自力(自社のリソースだけで)スティッチングを行うのは大変です。時間もかかりますし、本業をやりながら片手間で編集作業をするとなると、社員の負担も大きくなります。

最近では、自動でスティッチングを行ってくれるカメラもあるため、最初から対応カメラを購入すれば問題ありません。ただ、自動スティッチングの場合は、希望通りの映像にならない場合もあります。その際は自分で修正する必要があります。自社でスティッチングをする場合は、相応のリソースが必要になるため、人材確保のことも考えておきましょう

4. アップロード・公開

作成した動画を公開しなければ、ユーザーは見ることができません。編集が完了したら、最後にアップロード作業を行いましょう。ここでは「YouTube」で動画を公開する流れを紹介します。

1.専用ツールでメタデータを付ける
2.YouTubeで「動画をアップロード」をクリック

1. 専用ツールでメタデータを付ける

360度動画を公開する事前準備として、動画に特定のメタデータを付ける必要があります。メタデータとは、本体のデータに関する付帯情報のことです。

360度動画の場合、「動画」に対して「360度」という追加情報を付け加えるのです。動画にメタデータを挿入するには、「360 Video Metadata」という専用のツールを使います。ツールのダウンロードは、YouTubeのヘルプページから可能です。

THETAのような、最初からYoutubeに対応している360度カメラを利用する場合は、この手順を省くことができます。

2. YouTubeで「動画をアップロード」をクリック

自分のチャンネルページ内にあるダッシュボードから「動画をアップロード」をクリックします。

動画をアップロード

アップロード画面が出てくるので、動画ファイルを選択してアップロードします。

動画をアップロード

注意点・コツ

360度動画に対応しているのはYouTubeとFacebookのみ

360度動画をどのプラットフォームで公開するか考えたとき、「SNSで公開したい」という場合もあるでしょう。しかし残念ながら、2022年6月時点ではTwitterやInstagramは360度動画に対応していません。360度動画の出力に対応しているのは「YouTube」と「Facebook」のみ。ホームページで公開する場合は、YouTubeのリンクをページに貼り付けるなどの対応が必要です。

※360度動画を自力で制作するのは大変そう、アドバイスが欲しいという方は、動画幹事にご相談ください。予算や目的をヒアリングし、最適な会社を選定。相談料や紹介料は一切かかりません。

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360度動画の参考事例

360度動画の作り方をお伝えしましたが、それだけではイメージも湧きにくいかと思います。そこで本章では、360度動画の参考事例をいくつかご紹介します。

部屋の内覧に活用した事例

熊本を拠点とするハウスメーカー「リブワーク」の360度動画です。この動画では、一人の社員が「平家住宅の内覧」を行っています。マウスを動かすことで部屋全体を見渡すことが可能です。

動画内では、社員の方が家の構造や特徴について説明。家の中だけでなく、道路事情など住宅周辺の特徴にも触れています。また撮影者がカメラを「手持ち」で撮影しているため、視聴者があたかもその場で実際に歩いているかのような感覚になります。

実際、360度動画で物件紹介を行う「オンライン内覧」を行っている不動産屋さんは増えています。不動産業界はもちろん、旅館やホテルなど宿泊業界にも役立てられる事例といえるでしょう。

工場見学の疑似体験ができる事例

カゴメが公開している「工場見学」の360度動画です。この動画では、トマトジュースが完成するまでの過程を360度動画で紹介しています。

実際に農家さんがトマトを収穫している映像から、コンテナで運ばれる映像、工場内で加工されている映像など、主観的なアングルから撮影・編集されています。至近距離で農家さんがトマトを収穫する映像や、工場内部の様子も見られます。間近で見学できるため視聴者も生産プロセスのイメージを掴みやすいです。

さらに動画内では、「1日に何本のトマトジュースが作られているでしょう?」などクイズも出題されています。視聴者が能動的に学べるため、商品に対する理解も深まりやすいです。メーカー系の企業には参考になる事例といえるでしょう。

世界の絶景を体感できる事例

YouTubeで日常に役立つ情報や雑学を紹介する「ブライトサイド」チャンネルが公開している360度動画です。タイトルは「360度動画で家にいながら世界中を旅する!」です。

アメリカや東南アジア、南国リゾートまで「世界の絶景」を、実際にその場に立っている視点から体感できます。たとえば、ヘリコプターや船からの臨場感のある映像や、海中でシュノーケリングの仮想体験ができる映像などさまざまです。

360度動画なら、視聴者が普段なかなか味わえない貴重な体験を提供できます。視聴者に非日常を味わってもらえるので、旅館や観光スポットの紹介など、観光事業を展開している方はぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

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360度動画の制作費用

360度動画の制作にあたって気になるのが「制作費用」です。一本の360度動画を作るのにいくらぐらいかかるのか、具体的な費用を解説します。

自社制作だと15〜20万円程度

最近では高性能な360度カメラも登場し、無料で簡単に使えるソフトやアプリもあるため、初めての人でも動画制作を始めやすくなっています。

・360度カメラ:1台あたり5〜10万円
・編集ソフト:0〜5万円程度
・音声機材など設備費:2万円程度
・交通費などの諸経費:数千円〜数万円

どのようなカメラや編集ソフトを使うか、キャスティングで役者を起用するかどうかなどによって費用は大きく変動します。目安として、最低でも15〜20万円は見積もっておきましょう。

ただし自社制作の場合、360度動画を作成できる人材が必要です。従来の業務に加えて動画編集を行うと、リソースが足りなくなる場合も。自社制作する際は、本業に支障が出ない程度に人材を確保しておきましょう。

外注する場合は20〜数百万円と幅広い

使用機材や編集にかかる工数、実写か3DCGかによって費用が大きく異なります。実写は素材をカメラで撮影しますが、3DCGは映像自体を最初から作らなければなりません。また「動画の長さ」によっても費用は変動します。

たとえば、数十秒〜2分程度の短い動画であれば、20万円台から相談できる会社もあります。一方、ドローンや水中カメラなど特殊機材を使用した3DCGの場合では、1000万円を超えることも珍しくありません。遠方でロケを行う場合は、場所の手配にかかる費用や交通費も発生します。

また、どのような動画を作りたいかや、どの会社に依頼するかで費用は大きく異なります。まずは自社で動画制作の目的や予算をしっかりと詰めて、それに合った最適な会社を選びましょう。

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360度動画は内製するべきか外注するべきか

「内製」と「外注」のどちらを選ぶべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。それぞれのメリットとデメリットを踏まえた上で、自社の目的に合った方法を選ぶことが大切です。

内製と外注の判断基準

 

内製

外注

メリット

・制作コストを抑えやすい

・ノウハウが蓄積されやすい

・社内でコミュニケーションを

取りながら制作を進められる

・クオリティを担保しやすい

・社内リソースを使わずに済む

・制作会社側が機材を

揃えてくれる

デメリット

・動画を作るための人材が必要

・ノウハウ習得に時間がかかる

・機材の自前用意が必要

・制作コストがかかる

・ノウハウが蓄積されにくい

・コミュニケーションロスが

生まれやすい

おすすめの企業

・360度動画を作れる人材はいるが、

予算に限りがある企業

・ノウハウを蓄積したい企業

・ある程度の予算は用意できるが

社内リソースがない企業

・クオリティ重視の360度動画を作りたい企業

社内に360度動画を作れる人材(スティッチングのスキルがある社員など)がいるものの、予算に限りがある場合は、内製がおすすめです。反対に、人材とリソースはないがクオリティを重視したい場合は、制作会社に外注するのが良いでしょう。ある程度の予算は必要ですが、プロがクオリティの高い360度動画を作ってくれます。

制作会社への依頼がオススメ

お伝えしたように、360度動画は理論上内製できます。しかし、企業が一般向けに公開する360度動画には、スティッチングによる映像の滑らかさや、テロップやエフェクト(特殊効果)による伝わりやすさなど、一定のクオリティが必要です。

クオリティを追求するにはまず企画を詰める必要があり、その上で専用のカメラで撮影・編集しなければなりません。スティッチングなど編集は特に大変で、時間もかかります。そのため、自社にノウハウがない場合は、制作をワンストップで対応できる制作会社に依頼するのがオススメです。

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360度動画の作り方まとめ

本記事では、360度動画の作り方について、以下のポイントを中心にお伝えしました。

・360度動画は情報量が多いため、プランニング(企画)が大切
・制作には360度カメラ、専用の編集ソフトが必要
・360度動画の編集では、スティッチング(映像のつなぎ合わせ)が大変
・費用は、自社制作だと15〜20万円、外注する場合は20〜数百万円

360度動画は通常の動画と比べて、企画作りやスティッチングに時間がかかります。自社で360度動画を制作するには、相応の社内リソースが必要です。「人材はいるけど、本業の効率を下げたくない」という場合は、一度プロに相談してみてはいかがでしょうか。
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