- 更新日 2024.10.01
- カテゴリー 動画マーケティング
コンセプトムービーとは?企業の事例・活用方法・作り方を徹底解説【2024年最新版】
動画を活用した企業プロモーション・マーケティング手法として年々、注目度の増えている「コンセプトムービー」。しかし、比較的新しい概念であるコンセプトムービーをしっかりと理解できている方はそれほど多くありません。
・コンセプトムービーとはなにか?
・ブランデッドムービーとの違いは?
・有効活用する方法とは?
・制作コストの相場は?
本記事では、コンセプトムービーを企業プロモーションに有効活用したいと考える動画担当者・マーケターの方に向け、コンセプトムービーの疑問を解説。具体的な活用事例、制作時に注意すべきポイントも紹介します。
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コンセプトムービーとは
コンセプトムービーとは、企業理念・ビジョン、商品・サービスに込められた想いといった、抽象的な概念(コンセプト)をユーザーに伝えるための動画です。
言葉・文字では伝えにくい概念を視覚化することで、ユーザーに共感を与え、当事者としてアクションを起こしてもらうのがコンセプトムービーの目的。そのため、共感の得やすい実写が多用されるケースが多く、アニメーションはあまり使われません。
ブランデッドムービー(ブランディング動画)との違い
コンセプトムービーと混同されがちな動画に「ブランデッドムービー」があります。
ブランデッドムービー は、「ブランディング構築」を目的とし、上の事例のように商品やサービスをアピールしない動画のこと。一方の「コンセプトムービー 」は視聴者にアクションを促す「プロモーション展開」を目的とします。
目的という観点で両者には大きな違いがあるといえるでしょう。この記事を読まれている方の中で、ブランデッドムービーの制作を考えている方は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:企業が注目するブランデッドムービーとは?基礎知識やメリットを解説【初心者向け】
なぜコンセプトムービーを作るのか?
多くの企業がコンセプトムービーを制作するようになった理由は、大きく3つのメリットがあるからだと考えられます。
・他社との差別化が図れる
・動画は抽象的な想いを表現しやすい
・ユーザーとの信頼関係を築きやすい
他社との差別化が図れる
モノ・コトのコモディティ化(商品・サービスの価値が、高品質な競合の登場で平準化されてしまうこと)が進む現代では、商品・サービスそのものでの差別化が難しく、ユーザーから選ばれる存在となるためには他社との違いを明確に示す必要があります。自社ならではのコンセプト・想いを表現できるコンセプトムービーは、他社との差別化を図るのに最適な手法です。
動画は抽象的な想いを表現しやすい
写真・テキストの5,000倍といわれる情報量を持つ動画が、コンセプトという抽象的な想いを表現しやすいフォーマットであるのもポイントです。インタビュー、ドラマ形式、CGの活用など、自由な表現が可能な動画の特性を活かせば、ユーザーの心を動かし、共感の得られるコンセプトムービーを制作できるでしょう。
ユーザーとの信頼関係を築きやすい
視聴者であるユーザーとの信頼関係を築きやすいことも、コンセプトムービーが支持される要因です。膨大な情報が氾濫する現代では、ユーザーが必要な情報を能動的に取得する傾向が強まっています。このため、企業側の都合を押し付けた一方的な動画広告は、ユーザーに不快感を与えるリスクがあります。ユーザーの共感を得ることに重きを置いたコンセプトムービーなら、リスクを回避しながら信頼感を築くのに役立ちます。
コンセプトムービーの活用方法
商品プロモーション
他社との差別化が図れ、ユーザーとの信頼関係を築きやすいコンセプトムービーは、商品・サービスのプロモーション展開に最適です。どのような想いで作られているのか、利用者の課題を解決するどんな工夫が施されているのかを、競合他社とは異なる視点でアピールできます。
コンセプト・想いに共感してもらえれば、ユーザーのロイヤリティ(商品・サービスへの信頼・愛着)を高めるのにも役立つでしょう。
新商品・サービスをローンチする際にも、コンセプトムービーは有効活用できます。どのような目的で誕生したのか、商品・サービスが開発された背景・コンセプトがわかれば、アクションを起こしてくれるユーザーは必ず存在します。評判が定まっていない段階こそ、他社との差別化を図れるコンセプトムービーが有効なのです。
採用活動
企業理念・ビジョンといった抽象的な概念・想いを表現しやすいコンセプトムービーは、採用活動への活用が非常に有効です。新卒・中途を問わず、採用した従業員にミスマッチなく働いてもらうためには、自社の理念・ビジョンをしっかりと理解・共感してもらうことが重要です。
コンセプトムービーを活用すれば、言葉では伝わりにくい理念・ビジョンを、動画という具体的な形で視覚化できます。
インタビューで従業員の生の声を届ける、ドラマ形式で日常の仕事を具体化する、CGを使って将来のビジョンを視覚化するなど、コンセプトムービーなら自由度の高い表現で求職者の共感を呼べるでしょう。
参考になるコンセプトムービーの動画事例7選
【JR東日本】コンセプトムービー「BE CREATIVE」
3分11秒と、コンセプトムービーにしてはやや長めの動画ながら、BGMに合わせた細かなカット割、美しい映像、編集の妙で一気に魅せられてしまうのがJR東日本のコンセプトムービー「BE CREATIVE」。「東日本エリアの地域に根ざし、発展に貢献する」というJR東日本のビジョンが、さまざまな現場で働く従業員に支えられているのがわかる構成になっています。
採用活動の一環として制作されたものながら、旅情を誘う作りになっているのもポイント。構内・車内アナウンスの効果的な使い方も参考になります。
【ソニー】コンセプトムービー「PlayMemories」
ソニーが提供する写真・動画クラウドサービス「PlayMemories」のコンセプトムービー。制作されたのが2012年であるため、古さを感じるのは否めませんが、当時まだまだ一般的とはいえなかった写真・動画の共有を「新しい思い出のカタチ」というコンセプトでわかりやすく表現しています。
「どこでも閲覧、カンタン編集、すぐにシェア」という特徴を視覚的に表現することで、視聴者のアクションを促す構成になっています。
【三菱地所ホーム】コンセプトムービー「ONE ORDER」
三菱地所ホームの自由設計注文住宅サービス「ONE ORDER」のコンセプトムービー。フルオーダーの注文住宅であれば、どこに依頼しても希望通りの家が建てられるのでは?そう考えるユーザーに「実はそうではない」という差別化のポイントを、ストレートかつ簡潔に伝える内容になっているのが特徴。
WALTZFLEXの二眼レフ、ワインセラーなど、「ひとつの想いを、ひとつの家に。」というコンセプトを表現する温かな映像が印象的です。
【星野リゾート】コンセプトムービー「星のや #01」
個性的なリゾート施設を運営する、星野リゾートのラグジュアリーホテルブランド「星のや」のコンセプトムービー。ブランドサイトにも掲載されるコンセプト「現代を休む日」を視覚化するため、非日常的な時間が漂う美しい景色・宿泊施設の様子を、人間の視野角に近いシネマスコープサイズ(2.35 : 1)で映画のように表現しているのが特徴。
「今日は一日のんびりしようを設計しました」という的を射たコピーとともに、視聴者の旅情を誘う作りになっています。
【渋谷スクランブルスクエア】コンセプトムービー「SHIBUYA SKY」
渋谷スクランブルスクエアが運営する、渋谷の新たなランドマーク「SHIBUYA SKY」のコンセプトムービー。差別化の難しい多目的商業ビルのプロモーションに、地上約230mの体験型展望空間という特徴を活かしてチャレンジした例です。
固定カメラのショットで「地上の喧騒」を表現しつつ、モーショングラフィックで上空の開放感を対比させているのがポイント。シネマスコープサイズを採用してダイナミックな映像に仕上げているのが参考になります。
【朝日建設】コンセプトムービー「INTRODUCTION MOVIE」
舗装・土木・電気設備工事事業を手がける富山県の建設会社、朝日建設の採用活動向けコンセプトムービー。道路舗装・土木などのライフライン整備に焦点を当て、地域に貢献したいという想いを語る従業員インタビューをフィーチャーした構成です。
現場で働く従業員の姿と、街で暮らす人々の生活を対比させ「その想いはだれかの道となる」というコンセプトを鮮やかに表現。この動画でもシネマスコープサイズが採用されています。
【ベルク】コンセプトムービー「働くプライド編」
埼玉県に拠点を持ち、関東1都6県にスーパーマーケット100店舗以上を展開するベルクの採用活動向けコンセプトムービーの第2弾。店舗の現場はもちろん、バイヤー、事務員を含む従業員の笑顔をフィーチャーし、コンセプトに掲げる「働く人の笑顔がお客様の笑顔をつくる」を表現。
シリーズとしてコンセプトムービーを展開しながらも、「笑顔」というキーワードを踏襲して統一感を持たせているのが特徴。視聴数170万回に迫る人気を誇っています。
コンセプトムービーの作り方・ポイント
目的を明確にする
まずは、なぜコンセプトムービーを制作するのか?動画制作する目的を明確にしておくことが先決です。明確化した目的を掘り下げて検証することも忘れてはなりません。商品・サービスの差別化を図りたい、採用活動を展開したいといった目的があっても、コンセプトムービーが最適だとは限らないからです。
達成すべき目的が明確になっていれば、そこにいたる道筋や必要な要素を整理しやすく、どんな内容の動画を制作すればいいのかも見えてきます。最終的にコンセプトムービーの制作が最適だと判断した場合も、インタビュー中心で制作するのか、ドラマ形式で制作するのか、方向性も決めやすくなるでしょう。
ターゲットを明確にする
理念・想いといった抽象的な概念を視覚化するコンセプトムービーは、自社の独りよがりな主張に終始してしまうあまり、結局だれの心にも響かないという失敗を犯す危険性があります。このような失敗を避けるためには、だれに向けてメッセージを発信したいのかを念頭に、アプローチすべきターゲット像を明確にしておくのが重要です。
また、コンセプトムービーを制作しても、内容がターゲットに合っていないのでは興味も持ってもらえません。年齢・性別・居住地など、より具体的にターゲット像を絞り込んで嗜好を分析し、どんなメッセージを発信すれば共感を呼べるのか、ターゲットに応じた適切な内容の動画を制作すべきです。
メッセージを絞る
膨大な情報を視聴者に伝えられるのが動画最大のメリットですが、伝えたいことをあれもこれもと詰め込めば再生時間が長くなるだけでなく、焦点のぼやけた視聴者に響かない動画になってしまいます。こうした失敗を避けるには、コンセプトムービーでユーザーに伝えるべきメッセージを絞り込み、どんなに長くても動画は3分以内に収めることを心がけるのが肝心です。
・30秒以内の動画→メッセージは1つか2つ
・60秒以上の動画→メッセージは3つまで
盛り込むべきメッセージ数と再生時間の関係性は上述の通りですが、効果的なコンセプトムービーを制作したいなら、メッセージは1つに絞り込むのがおすすめです。伝えたいメッセージが複数あるのであれば、コンセプトムービーをシリーズ化して展開するという方法もあります。
ここまでで、コンセプトムービーを制作する際に特に注意しておきたいポイントを紹介しました。しかし、自由度の高い表現が可能な動画だからこそ、気を配っておきたいポイントは多岐に渡ります。動画制作する際には、以下の記事もあわせて参考にしてください。
関連記事:動画制作でやってはいけない注意点を1~10まで全て解説します!
:動画制作の依頼に必要な10の準備リストをプロが解説
コンセプトムービーを作る際の料金目安
ユーザーの共感を呼んでアクションを起こしてもらうことが目的となるコンセプトムービーは、実写中心になることが多いのは解説しましたが、表現の幅を広げるためにCGを使う場合もあり、制作費の相場はまさにピンキリです。
ただし、採用活動のために実写中心のコンセプトムービーを制作したいなら、ある程度目安となる相場があります。撮影規模によっても異なりますが、インタビュー中心であれば10〜30万円、社内風景をプラスすると30〜80万円、密着取材で80〜200万円、ドラマ形式なら200万円以上を考えておけばいいでしょう。下記の表を参考にしてください。
特徴 |
相場 |
動画の長さ |
制作期間 |
---|---|---|---|
インタビュー |
10〜30万円 |
120秒以内 |
2週間〜1ヶ月 |
インタビュー + 社内風景 |
30〜80万円 |
180秒以内 |
1〜1.5ヶ月 |
密着取材 |
80〜200万円 |
オーダーメイド |
1.5〜2ヶ月 |
ドラマ仕立て |
200万円以上 |
オーダーメイド |
3ヶ月以上 |
共感を呼ぶコンセプトムービーまとめ
本記事では、注目の高まるコンセプトムービーの基本から制作のポイントまで、制作事例を含めて網羅的に解説してきました。最後に重要なポイントをおさらいしておきましょう。
◎コンセプトムービーとは?
・企業理念・想いなどの抽象的な概念をユーザーに伝える動画
・実写が多用されるケースが多い
・ブランデッドムービーとは目的が異なる
◎コンセプトムービーを制作するメリット
・他社との差別化が図れる
・抽象的な概念を視覚的に伝えられる
・ユーザーとの信頼関係を築きやすい
◎コンセプトムービーの活用方法
・商品・サービスのプロモーション
・採用活動
◎コンセプトムービー制作時のポイント
・目的を明確にする
・ターゲットを明確にする
・メッセージを絞る
商品・サービスのコモディティ化が避けられない現代だからこそ他社との差別化が重要。そのための有効な手法として注目されているのがコンセプトムービーです。自由度の高い表現が可能なコンセプトムービーだからこそ、パートナーとしての制作会社選びも重要です。どんな会社に依頼したらいいのか迷っている方は、ぜひ動画幹事にご相談ください。
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この記事を書いた人
梓澤 昌敏
専門分野: 音楽・映像制作、オウンドメディア、ビジネス
音楽・映像制作の現場を経て、スタジオ構築側の業界へ。マネージャー・コンサルタントとして制作現場の構築に携わる一方、自社オウンドメディアの立ち上げを含むマーケティングも担当してきました。現在アメリカ在住。作曲を含む音楽制作も提供しています。
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