- 更新日 2025.07.01
- カテゴリー 動画マーケティング
コンセプトムービーとは?共感を呼ぶ7つの事例と活用方法、費用相場を紹介【2025年最新版】
動画を活用した企業プロモーション・マーケティング手法として年々、注目度の増えている「コンセプトムービー」。しかし、比較的新しい概念であるコンセプトムービーをしっかりと理解できている方はそれほど多くありません。
- コンセプトムービーとはなにか?
- ブランデッドムービーとの違いは?
- 有効活用する方法とは?
- 制作コストの相場は?
本記事では、コンセプトムービーを企業プロモーションに有効活用したいと考える動画担当者・マーケターの方に向け、コンセプトムービーの疑問を解説。具体的な活用事例、制作時に注意すべきポイント、料金相場も紹介します。
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コンセプトムービーとは
コンセプトムービーとは、企業理念・ビジョン、商品・サービスに込められた想いといった、抽象的な概念(コンセプト)をユーザーに伝えるための動画です。
言葉・文字では伝えにくい概念を視覚化することで、ユーザーに共感を与え、当事者としてアクションを起こしてもらうのがコンセプトムービーの目的。そのため、共感の得やすい実写が多用されるケースが多く、アニメーションはあまり使われません。
ブランデッドムービー(ブランディング動画)との違い
コンセプトムービーと混同されがちな動画に「ブランデッドムービー」があります。
ブランデッドムービー は、「ブランディング構築」を目的とし、上の事例のように商品やサービスをアピールしない動画のこと。一方の「コンセプトムービー 」は視聴者にアクションを促す「プロモーション展開」を目的とします。
目的という観点で両者には大きな違いがあるといえるでしょう。この記事を読まれている方の中で、ブランデッドムービーの制作を考えている方は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:企業が注目するブランデッドムービーとは?基礎知識やメリットを解説【初心者向け】
なぜコンセプトムービーを作るのか?
多くの企業がコンセプトムービーを制作するようになった理由は、大きく3つのメリットがあるからだと考えられます。
・他社との差別化が図れる
・動画は抽象的な想いを表現しやすい
・ユーザーとの信頼関係を築きやすい
他社との差別化が図れる
モノ・コトのコモディティ化(商品・サービスの価値が、高品質な競合の登場で平準化されてしまうこと)が進む現代では、商品・サービスそのものでの差別化が難しく、ユーザーから選ばれる存在となるためには他社との違いを明確に示す必要があります。自社ならではのコンセプト・想いを表現できるコンセプトムービーは、他社との差別化を図るのに最適な手法です。
動画は抽象的な想いを表現しやすい
写真・テキストの5,000倍といわれる情報量を持つ動画が、コンセプトという抽象的な想いを表現しやすいフォーマットであるのもポイントです。インタビュー、ドラマ形式、CGの活用など、自由な表現が可能な動画の特性を活かせば、ユーザーの心を動かし、共感の得られるコンセプトムービーを制作できるでしょう。
ユーザーとの信頼関係を築きやすい
視聴者であるユーザーとの信頼関係を築きやすいことも、コンセプトムービーが支持される要因です。膨大な情報が氾濫する現代では、ユーザーが必要な情報を能動的に取得する傾向が強まっています。このため、企業側の都合を押し付けた一方的な動画広告は、ユーザーに不快感を与えるリスクがあります。ユーザーの共感を得ることに重きを置いたコンセプトムービーなら、リスクを回避しながら信頼感を築くのに役立ちます。
コンセプトムービーの活用方法
商品プロモーション
他社との差別化が図れ、ユーザーとの信頼関係を築きやすいコンセプトムービーは、商品・サービスのプロモーション展開に最適です。どのような想いで作られているのか、利用者の課題を解決するどんな工夫が施されているのかを、競合他社とは異なる視点でアピールできます。
コンセプト・想いに共感してもらえれば、ユーザーのロイヤリティ(商品・サービスへの信頼・愛着)を高めるのにも役立つでしょう。
新商品・サービスをローンチする際にも、コンセプトムービーは有効活用できます。どのような目的で誕生したのか、商品・サービスが開発された背景・コンセプトがわかれば、アクションを起こしてくれるユーザーは必ず存在します。評判が定まっていない段階こそ、他社との差別化を図れるコンセプトムービーが有効なのです。
採用活動
企業理念・ビジョンといった抽象的な概念・想いを表現しやすいコンセプトムービーは、採用活動への活用が非常に有効です。新卒・中途を問わず、採用した従業員にミスマッチなく働いてもらうためには、自社の理念・ビジョンをしっかりと理解・共感してもらうことが重要です。
コンセプトムービーを活用すれば、言葉では伝わりにくい理念・ビジョンを、動画という具体的な形で視覚化できます。
インタビューで従業員の生の声を届ける、ドラマ形式で日常の仕事を具体化する、CGを使って将来のビジョンを視覚化するなど、コンセプトムービーなら自由度の高い表現で求職者の共感を呼べるでしょう。
参考になるコンセプトムービーの動画事例7選
【JR東日本】コンセプトムービー
1分48秒と、コンセプトムービーにしてはやや長めの動画ながら、BGMに合わせた細かなカット割、美しい映像、編集の妙で一気に魅せられてしまうのがJR東日本のコンセプトムービー。「東日本エリアの地域に根ざし、発展に貢献する」というJR東日本のビジョンが、さまざまな現場で働く従業員に支えられているのがわかる構成になっています。
【パナソニック】コンセプトムービー「LUMIX S9」
パナソニックが提供するフルサイズミラーレス一眼「LUMIX S9」のコンセプトムービー。「 撮る喜びも、持つ喜びも。」をコンセプトに制作された動画で、一人の女性がLUMIX S9を片手に何気ない瞬間を切り取るようなドラマ仕立てになっています。
シャッターを切る爽快な音も心地よく、カメラをもって出かけたくなるような内容になっています。
【三菱ケミカルグループ】コンセプトムービー「KAITEKI」
三菱ケミカルグループ「KAITEKI Solution Center」のコンセプトムービー。KAITEKI Solution Centerとは、KAITEKIの実現に向け、三菱ケミカルグループ取り組みやソリューション事例を紹介するサービスのこと。2035年のありたい姿の実現に向けた決意を、動画で示しています。
美しい映像となめらかなカットの切り替え、効果的なテキストのすべてがそろったクオリティの高さで、160万回以上再生されています。
【星野リゾート】コンセプトムービー「奥入瀬渓流ホテル」
個性的なリゾート施設を運営する、星野リゾートグループの「奥入瀬渓流ホテル」のコンセプトムービー。コンセプトである「渓流スローライフ」を視覚化するため、非日常的な時間が漂う美しい景色・宿泊施設の様子を、映画のように表現しているのが特徴。
まるで水墨画のような奥入瀬渓流の冬景色や、アイスブルーに輝く氷瀑とともに、視聴者の旅情を誘う作りになっています。
【東京都】コンセプトムービー「東京グリーンビズ」
東京都が推進するプロジェクト「東京グリーンビズ」のコンセプトムービー。 15秒という短い時間で、東京の緑を「まもる」「育てる」「活かす」の3つの観点についてわかりやすくまとめています。
短時間で伝わる映像を目指すなら、参考にしたい好例です。
【象印】コンセプトムービー「象印ステンレスボトル」
象印ステンレスボトルのコンセプトムービー。「人生の隣にいつも、象印のマイボトル。」をテーマに、アニメーションで制作されています。一般的に実写と比較すると共感を生みにくいとされるアニメーションですが、美しい映像とストーリー性により、思わず引き込まれる内容になっています。
子どものころに母からもらった言葉と思いを、自分の息子へとつないでいくストーリーに、心がほっと温かくなる動画です。
【PwC Japanグループ】コンセプトムービー
PwC Japanグループの採用活動向けコンセプトムービー。「すべての壁を越えていけ」をコンセプトに、様々な分野のプロフェッショナルな従業員たちが壁を乗り越え・破っていく様子が視覚的にわかりやすく描かれています。
30秒という短い時間で、端的に伝えたいことのみをまとめている好例です。
コンセプトムービーの作り方・ポイント
目的を明確にする
まずは、なぜコンセプトムービーを制作するのか?動画制作する目的を明確にしておくことが先決です。明確化した目的を掘り下げて検証することも忘れてはなりません。商品・サービスの差別化を図りたい、採用活動を展開したいといった目的があっても、コンセプトムービーが最適だとは限らないからです。
達成すべき目的が明確になっていれば、そこにいたる道筋や必要な要素を整理しやすく、どんな内容の動画を制作すればいいのかも見えてきます。最終的にコンセプトムービーの制作が最適だと判断した場合も、インタビュー中心で制作するのか、ドラマ形式で制作するのか、方向性も決めやすくなるでしょう。
ターゲットを明確にする
理念・想いといった抽象的な概念を視覚化するコンセプトムービーは、自社の独りよがりな主張に終始してしまうあまり、結局だれの心にも響かないという失敗を犯す危険性があります。このような失敗を避けるためには、だれに向けてメッセージを発信したいのかを念頭に、アプローチすべきターゲット像を明確にしておくのが重要です。
また、コンセプトムービーを制作しても、内容がターゲットに合っていないのでは興味も持ってもらえません。年齢・性別・居住地など、より具体的にターゲット像を絞り込んで嗜好を分析し、どんなメッセージを発信すれば共感を呼べるのか、ターゲットに応じた適切な内容の動画を制作すべきです。
メッセージを絞る
膨大な情報を視聴者に伝えられるのが動画最大のメリットですが、伝えたいことをあれもこれもと詰め込めば再生時間が長くなるだけでなく、焦点のぼやけた視聴者に響かない動画になってしまいます。こうした失敗を避けるには、コンセプトムービーでユーザーに伝えるべきメッセージを絞り込み、どんなに長くても動画は3分以内に収めることを心がけるのが肝心です。
・30秒以内の動画→メッセージは1つか2つ
・60秒以上の動画→メッセージは3つまで
盛り込むべきメッセージ数と再生時間の関係性は上述の通りですが、効果的なコンセプトムービーを制作したいなら、メッセージは1つに絞り込むのがおすすめです。伝えたいメッセージが複数あるのであれば、コンセプトムービーをシリーズ化して展開するという方法もあります。
ここまでで、コンセプトムービーを制作する際に特に注意しておきたいポイントを紹介しました。しかし、自由度の高い表現が可能な動画だからこそ、気を配っておきたいポイントは多岐に渡ります。動画制作する際には、以下の記事もあわせて参考にしてください。
関連記事:動画制作でやってはいけない注意点を1~10まで全て解説します!
:動画制作の依頼に必要な10の準備リストをプロが解説
コンセプトムービーを作る際の料金相場
ユーザーの共感を呼んでアクションを起こしてもらうことが目的となるコンセプトムービーは、実写中心になることが多いのは解説しましたが、表現の幅を広げるためにCGを使う場合もあり、制作費の相場はまさにピンキリです。
ただし、採用活動のために実写中心のコンセプトムービーを制作したいなら、ある程度目安となる相場があります。撮影規模によっても異なりますが、インタビュー中心であれば10〜30万円、社内風景をプラスすると30〜80万円、密着取材で80〜200万円、ドラマ形式なら200万円以上を考えておけばいいでしょう。下記の表を参考にしてください。
特徴 |
料金相場 |
動画の長さ |
制作期間 |
---|---|---|---|
インタビュー |
10〜30万円 |
120秒以内 |
2週間〜1ヶ月 |
インタビュー + 社内風景 |
30〜80万円 |
180秒以内 |
1〜1.5ヶ月 |
密着取材 |
80〜200万円 |
オーダーメイド |
1.5〜2ヶ月 |
ドラマ仕立て |
200万円以上 |
オーダーメイド |
3ヶ月以上 |
共感を呼ぶコンセプトムービーまとめ
本記事では、注目の高まるコンセプトムービーの基本から制作のポイントまで、制作事例を含めて網羅的に解説してきました。最後に重要なポイントをおさらいしておきましょう。
◎コンセプトムービーとは?
・企業理念・想いなどの抽象的な概念をユーザーに伝える動画
・実写が多用されるケースが多い
・ブランデッドムービーとは目的が異なる
◎コンセプトムービーを制作するメリット
・他社との差別化が図れる
・抽象的な概念を視覚的に伝えられる
・ユーザーとの信頼関係を築きやすい
◎コンセプトムービーの活用方法
・商品・サービスのプロモーション
・採用活動
◎コンセプトムービー制作時のポイント
・目的を明確にする
・ターゲットを明確にする
・メッセージを絞る
商品・サービスのコモディティ化が避けられない現代だからこそ他社との差別化が重要。そのための有効な手法として注目されているのがコンセプトムービーです。自由度の高い表現が可能なコンセプトムービーだからこそ、パートナーとしての制作会社選びも重要です。どんな会社に依頼したらいいのか迷っている方は、ぜひ動画幹事にご相談ください。
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この記事を書いた人

梓澤 昌敏
専門分野: 音楽・映像制作、オウンドメディア、ビジネス
音楽・映像制作の現場を経て、スタジオ構築側の業界へ。マネージャー・コンサルタントとして制作現場の構築に携わる一方、自社オウンドメディアの立ち上げを含むマーケティングも担当してきました。現在アメリカ在住。作曲を含む音楽制作も提供しています。
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