- 更新日 2024.12.01
- カテゴリー 動画マーケティング
企業が注目するブランデッドムービーとは?基礎知識やメリットを解説【2024年最新版】
企業側のメッセージや想いを発信する手段として需要が増えている「ブランデッドムービー」。
「ウチもブランデッドムービーを作るから企画を考えといて」と会社から言われ、困った担当者の方もいるでしょう。
・そもそもブランデッドムービーって何?
・広告の動画とは何が違う?
・ブランデッドムービーを作るときのポイントは?
本記事では上記の疑問に回答し、ブランデッドムービーのメリットや動画事例などを紹介します。これを読めばブランデッドムービーの基礎知識を理解できるようになります。
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そもそもブランデッドムービーとは?
ブランデッドムービーとは、「ブランディング構築を目的に制作する映像」のこと。企業が伝えたいメッセージをドラマのようなストーリー仕立ての映像に乗せ、視聴者の感情を動かして企業のファンになってもらうことが目的です。新海誠 監督が制作した大成建設のテレビCMが例の一つ。
ブランデッドムービーの特徴は、ストーリーによって間接的にメッセージを訴求し、企業の理念やモノづくりへの想いに「共感」してもらう、視聴者の「記憶に残る」ような内容であることです。
「商品のアピールをせずに売る」動画がブランデッドムービーと覚えてください。
ブランデッドムービーと動画広告の違い
動画広告は「商品を買ってもらう」など短期的な成果を期待し、ブランデッドムービーは企業のファンになってもらう継続的な効果を期待するもの。主に商品のPRはせず、ストーリー性のある動画によって共感を得て、間接的に商品やサービスの購入につなげていく戦略です。
動画広告はテレビ番組やSNS、YouTubeを見ている途中に予期せぬタイミングで流れてくる受動的な動画。一方のブランデッドムービーは「興味があるから見てみよう」と、視聴者が能動的に再生する違いもあります。
また、広告動画とブランディング動画では映像だけでなく、ナレーションにも違いがあります。商品やサービスを売るためには、過剰な言い回しが多用されますが、ブランデッドムービーでは、企業の世界観にあった声がポイント。ナレーションも落ち着いてメッセージを伝えます。
ブランデッドムービーが注目される背景
近年、ブランデッドムービーが注目を集める理由は主に3つ考えられます。
・信用が重要になってきている
・動画広告はマイナスのリスクがある
・SNSが普及してきている
昨今では消費者の購買行動が変化しつつあり、商品を買うときにメリットよりも想いを重視する傾向にあります。通販などオンラインで簡単に商品が手に入る分、事前に商品を試すことができません。そこで、「このブランドだから買う」という信用が大切になっているのです。
そして、動画広告の場合は、視聴者が意図しないタイミングで映像が飛び込んでくるため、ストレスを与えて企業や商品の印象にマイナス効果となるリスクがあります。
一方のブランデッドムービーは視聴者が能動的に再生して見ることが基本となるため、不快を与えるリスクが少なく企業に好まれます。
また、SNSが普及してきた現在では、共感を呼びやすいブランデムービーは相性が良いジャンルです。共感とSNSに関しては次章で詳しく説明します。
ブランデッドムービーのメリット
続いてはブランデッドムービーの3つのメリットを解説します。利点を意識して制作すると、より効果を発揮しやすくなります。
共感を呼べる
ブランデッドムービーの特徴が「共感を呼ぶ」ことです。広告動画では、商品のメリット訴求が中心になりますが、ブランデッドムービーは理念やビジョンなどエモーショナルな訴求がメイン。共感してもらうことで企業やサービスのファンになってくれるます。
共感を呼ぶ動画を作るためには、自分のアピールをするだけでなく、視聴者の困りごとや悩みを提示し、共感してもらうことが一つのポイントとなります。
長期的に自社ブランドを想起してもらう
長期的に自社ブランドを想起してもらうこともブランデッドムービーのメリットです。広告動画のように、商品を買って終わりの短絡的な効果ではなく、共感や感動によって好感度が上がるため、継続的な効果が期待できます。一度ファンになってもらうと今後、新しい商品やサービスをリリースときも購入や口コミなど、ポジティブなアクションが期待できるでしょう。
その観点から、ブランデッドムービーは、すでに著名な企業より、まだ社会認知が少ない中小企業ほど有効的と言えます。
SNSでの拡散を期待できる
ブランデッドムービーはSNSの拡散も期待できる動画です。共感を呼ぶ内容は、ユーザーがSNSで拡散したり、企業についてもっと調べたりするなど、能動的な行動につながりやすいです。
共感を呼ぶにはストーリーが重要になるため、制作を依頼するときは、広告動画やCMの経験があるディレクターより、ドラマやショートフィルムなどの制作経験があるディレクターを選ぶといいでしょう。
ブランデッドムービーのデメリット
短期的な広告効果ではROIが合わない可能性も
メリットの多いブランデッドムービーですが、デメリットもあります。
すぐに売上を出すことを目的としていないため、短期的な広告効果としてROI(投資額から得られた効果)が合わない可能性があります。
ブランデッドムービーの主な目的は「ファン」になってもらい、継続して良い効果を生むこと。単発の動画で完結させるのではなく、数パターンのストーリーを作ってシリーズ化することも多いです。長期的な覚悟を持って制作しましょう。
参考にしたいブランデッドムービー事例5選
最後に、ブランデッドムービーを制作する際に参考にしたい動画事例を5つ紹介します。共感を呼び、ファンになってもらうことが目的なので「自分ごと化」しやすいよう、アニメより実写で制作されることが多いです。
早稲田アカデミー「へんな生き物」
最初のブランデッドムービーの事例が早稲田アカデミーの「へんな生き物」です。
ちょっと不思議な行動をする小学3年生たかしが、母親に「塾に行く」と告げるところから始まるストーリー。「理系の大学に行って宇宙飛行士になる」と言う息子を呆れながらも見守る母親。
心温まる親子ドラマに、最後にテロップで登場する「早稲田アカデミー」が、たかしが通う塾=早稲田アカデミーを想起させます。
第53回ギャラクシー賞優秀賞受賞(CM部門)、第69回広告電通賞最優秀賞受賞(テレビ広告/教育・文化・娯楽部門)の実績があり、ブランデッドムービーとしての理想の事例です。
明治安田アセットマネジメント
明治安田アセットマネジメントによる企業ブランド訴求が目的のブランデッドムービー。
長期的な観点で投資信託の流入につなげるため、広告色を排除した理念への「共感」を意図しています。
娘の幼少期から大学受験、社会人までの流れをドラマ仕立てに構成し、大学受験の不安によって視聴者の共感を誘います。応援したくなる気持ちを醸成し、合格の安心感から心温まるストーリーになり、動画の最後に「私たちは成長の支えになりたい」というコーポレートメッセージを訴求。
今回の30秒バージョンと2分半の合計2パターンを制作し、ホームページやイベントなどで使い分けています。
積水ハウス
3つ目は、テレビCMでお馴染みの積水ハウスのブランデッドムービー。シリーズ化され長年放送されているので、一度は目にしたことのある方が多いでしょう。
家に関する訴求は一切せず、日常風景を切り取った映像と「積水ハウスの歌」の情感あふれるメロディが視聴者を惹きつけます。
最後に「家に帰れば、積水ハウス」のフレーズで、家という生涯の絆を約束する想いを歌詞に込める戦略。オリジナルソングにメッセージを入れたブランデッドムービーの事例です。
アーツアンドクラフツ株式会社「ith」
4つ目はオーダーメイドの婚約指輪ブランド「ith」のブランデッドムービー。
これまで紹介した王道のドラマ仕立てと違い、指輪の作り手とお客様が登場するドキュメンタリー映像です。
ブランデッドムービーの基本はストーリーを考えることですが、オリジナルの企画を考えるのは難しいでしょう。そんなときは「ith」のようにストレートに素の表情や、自然な言葉で心温まるエピソードをありのままに語ることで共感を醸成することができます。
少し変化球ですが、これもブランデッドムービーの事例です。
サイボウズ「アリキリ」
最後はブランデッドムービーでは希少なアニメーション動画の事例です。
サラリーマンの井上さん(キリギリス)と後藤さん(アリ)の会話劇で、シリーズ化されています。
上の第1話「残業編」は、プレミアムフライデーでも働かざるをえない愚痴から「働き方改革、楽しくないのはなぜだろう」というメッセージを訴求。間接的に業務改善サービスを軸とするサイボウズと関連づけています。
秀逸なセリフとキャラクター設定により、自分ごと化が難しいアニメーションの課題をクリアし、逆にインパクトのある動画になった成功事例です。
※動画幹事ではブランデッドムービーの事例を特集した記事もあります。動画制作の際は、下記も参考にしてください。
ブランデッドムービーまとめ
以上、ブランデッドムービーの基礎知識から動画事例までを紹介しました。
企業のメッセージを伝え、ファンを増やしながらブランディングをはかる動画で、ストーリー仕立てが基本になるため、企画を考えるのが大変なジャンルです。
ただし、視聴者の共感を呼ぶことができれば、長期的な成果やSNSでの拡散も狙えるため、挑戦する価値は十分にあります。
本書で紹介したポイントを押さえた上で、共感を呼ぶ動画を制作しましょう。動画のアイデアを考える際に参考になる記事もありますので、合わせてご覧ください。
関連記事:動画のアイデア出しに!オススメのサイトや事例もご紹介
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この記事を書いた人
松田 光正
専門分野: 動画制作,編集,ライティング
株式会社ユーティルライター・編集者。スポーツ新聞社での校正・校閲を2年経験し、髪の毛の情報サイト「ヘアラボ(旧ハゲラボ)」にて2年半のライター経験を積む。動画の知識を取材しつつ、圧倒的な初心者目線のコンテンツをお届けします!
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